吉日を選び仲人が結納品を持参するのでありますが、お祝いごとですから、なるべく午前中に先方に到着するよう、お取計らい願います。


 以下、便宜上お嫁迎えの場合について申します。
 婿方を出発する前に出立(でだち)の祝儀といって、祝膳をしつらえ仲人に一献差し上げます。このとき、ご両親、本人、親戚の代表者は立ち会われる方が宜しいかと思います。

 所定の時刻が来れば、結納の品々を風呂敷に包み、目録をのせてある片木を(家族書、親族書も一緒に)出来れば広蓋にのせ、その上に定紋のある袱紗を掛け(紋が表)定紋のある風呂敷に包んで仲人が持ち、結納品はお伴の人が持参し出発いたします。お伴のない場合はもちろん仲人が全部持参します。

 嫁方では仲人が到着するまでに床の間に、できれば毛氈を敷き、結納品を受けて並べるために何も置かないようにしてください。掛け軸はお目出度い図柄のものを掛けてください。


 仲人が到着しますと、玄関にお出迎えされ、予め所定の座敷にご案内し、昆布茶、菓子などの接待をします。

 よく仲人は無言で座敷へ通るのだと、おっしゃる方がありますが、それよりも例えば「今日はお目出度うございます。ご挨拶は後にさせていただきまして、持参いたしました御結納の品を先にお床に並べさせていただきます。」と一言申されてから、ゆっくりと床の間にお並べになってください。

 嫁方の方は、並べ終わる時分を見計らい、両親、本人、親戚の代表者ぐらいがお出ましになりますと、仲人は目録を差し出し、大体次のような挨拶をいたします。

 「此度○○様との御縁談がおととのいに成りまして誠にお目出度う存じます。今日はお日柄もよろしゅうございますので、○○様から御婚約のお印として、御結納の品々をご持参いたしました。どうぞ幾久しく御受納くださいませ。」




 嫁方はこれに対して、例えば「誠に御鄭重なお言葉を賜りまして有難うございます。其の上結構なお心尽くしの御結納の品々を戴きまして厚く御礼申し上げます。幾久しくお受けいたします。」と申し述べます。

 そして予め準備が出来てあれば直ぐに、準備がなければ仲人がお帰りになるまでに御受書(家族書、親族書があれば一緒に)と合わせ紙、ご祝儀を片木にのせ、先方からの広蓋の上にのせてお渡しします。

 この場合仲人への祝儀として、京都地方では目上目下に拘わらず、通常結納の主な金子の一割程度を入れますが、当地では、同輩または目上の方で、金銭を以てしては失礼に当たるとかご迷惑を掛けると思われる方に対しては、なさらない方がよろしい。



御受けセット
 
ご挨拶が済めば、お祝いの膳を出して、おもてなしいたします。仲人は一応これらの受書およびその他のものを婿方に持ち帰り、滞りなく嫁方へ結納の品をお納めいたしました旨の言葉を申し述べ、お渡しします。

 婿方に於いてはこれを確かめ仲人にお渡しすべきものは、お渡しし、その労をねぎらい、祝膳を出しておもてなしいたします。但し、饗応は結納の場合は嫁方が主で、婿方は嫁方ほど大層にされる要はないと思います。

 以上簡単ですが、だいたい結納の儀式を終わります。
 まだ説明不充分な点、言葉の足りない点も多々ございますので、当店までご相談くだされば幸いと存じます。



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